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初稿=H17(2005).01.16
終稿=H17(2005).02.05
2005CT本試 地理 について
■本試平均点の推移(少数第2位四捨五入) |
1゚CT |
|
2005 |
2004 |
2003 |
2002 |
2001 |
2000 |
1999 |
1998 |
1997 |
1996 |
1995 |
1994 |
1993 |
1992 |
1991 |
1990 |
地理B |
70.2 |
62.1 |
55.0 |
66.3 |
63.6 |
58.2 |
62.3 |
77.2 |
67.3 |
62.8 |
72.4 |
77.1 |
69.5 |
62.7 |
60.5 |
65.9 |
日本史B |
59.3 |
56.5 |
63.9 |
58.7 |
55.3 |
61.7 |
59.0 |
62.2 |
55.9 |
60.0 |
57.4 |
70.1 |
73.4 |
64.0 |
66.2 |
73.9 |
世界史B |
63.2 |
61.5 |
56.5 |
59.9 |
61.7 |
64.6 |
64.1 |
65.5 |
68.4 |
64.6 |
63.5 |
63.8 |
65.7 |
71.4 |
72.5 |
64.5 |
地理A |
65.7 |
60.0 |
48.1 |
56.5 |
60.1 |
46.2 |
51.1 |
59.7 |
57.0 |
|
|
|
|
|
|
|
日本史A |
54.8 |
45.2 |
42.9 |
43.1 |
46.5 |
43.9 |
47.9 |
47.3 |
48.6 |
|
|
|
|
|
|
|
世界史A |
44.3 |
46.0 |
43.4 |
44.3 |
45.3 |
43.0 |
46.5 |
50.6 |
51.7 |
|
|
|
|
|
|
|
※@大問5問(各20点)中の2問(第4問と第5問)がA・B共通問題の形式は第1回共通一次(S54)以来踏襲されている。
A解答数はA・B、本試・追試ともに2004年・2003年・2002年・2001年と同様で35問。
A地形図読図は1問のみだった。外国地形図は今年もなし(3年連続)。
Bアジア関連の出題が多いのが近年の傾向。
C図表・写真を使った問題は相変わらず多い。写真問題は点の稼ぎどころ。
D地理B(A)履修・受験者は、地理A(B)の過去問に目を通しておくことが必要。
地理B第1問(配点20点、 1 のみ2点、他は3点)
正解 解説etc.
問1 1 A 間違えようがない(?)
A=安定陸塊、B=古期造山帯、C=新期造山帯、D=海嶺
問2 2 D 基本問題。
ア=銅 鉱←(∴)−■の分布:カッパーベルトやペルー、チリに分布
イ=石 炭←(∴)−▲の分布:大分水嶺山脈
ウ=鉄鉱石←(∴)−●の分布:ピルバラ地区やイタビラ、カラジャス
問3 3 C ヤヤ難。世界の年降水量図が浮かばないと、KとLの判別が難しい。
@=K←(∴)−マグダレナ河口辺(BS〜Aw)→リャノ(Aw)→ジョージタウン(Am)
A=L←(∴)−サリナス辺の少雨地→セルバの多雨地(Af〜Am)
B=M←(∴)−アタカマ沙漠(BW)→グランチャコ〜ブラジル高原(Aw〜Cw)
C=N←(∴)−偏西風の風上斜面の多雨地(Cfb)→パタゴニア(BS〜BW)
問4 4 B
@:チャド湖周辺に山地はない
A:ボーキサイト鉱山などない
C:大規模灌漑用水路などない
cf.チャド湖は昔から湖面の拡大・縮小を繰り返しているが、@・A・Cが大嘘なのでBが正解
問5 5 @ 気候区に着目すれば簡単。
カ=コンゴ川 ←(∴)−Af
キ=ザンベジ川 ←(∴)−Cw
ク=ニジェール川←(∴)−BW
問6 6 A 基本問題。中学水準(?)
粘土→砂礫 cf.扇状地は礫質山麓堆積面、三角洲は泥質河口堆積面
問7 7 @ 常識問題
A:東側⇔西側
B:義務づけられてはいない
C:全国的規模としては言えない。
■地熱利用“島おこし”
今[1999]年のゴールデンウイーク期間中、東京・八丈島の南端にある「末吉みはらしの湯」は、家族連れらでにぎわい、入場者数は町民の約4分の1弱に当たる2200人余りにのぼった。
美しい海と島の緑が一望できるこの温泉は、今[1999]年3月から運転を始めた「八丈島地熱発電所」の建設のための調査をしていた時に発見された。調査中に見つかった温泉は計6ヶ所で、八丈島の新たな観光スポットとして、欠かせない存在になっている。
地熱発電は、井戸を掘って地中から噴き出す熱水を蒸気に変えて、タービンを回し、電気に変える。二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しないクリーンエネルギーだ。
この発電の工法は約30年前に確立されたが、実際に稼働しているのは自家発電を含め全国17ヶ所に過ぎない。実用化にはいろいろ条件があるためだ。
まず、火山が噴火してからそれなりの年数がたち、マグマ層が形成されていることが必要だ。専門家によると
300年前の噴火では新し過ぎる。また、熱気が地中の特定部分にこもっていることが必要で、水を通しにくい「難透水層」があることも条件となる。
さらに、温泉地の開発は難しい。国立公園の特別地域にあれば、環境庁が景観上の問題から認めていない。適地はそう多くはない。
また、地熱発電の建設コストは火力発電の1.5倍以上、発電コストは1.3倍程度と割高なのだ。
こうした問題点を八丈島はクリアした。東京電力などが1984年からの調査で、八丈島南側の中之郷地区の地中が、熱水にフタをして抑え込んだ構造になっていることが判明した。おまけに、八丈島の従来の発電源であったディーゼル発電は、燃料の重油を専用タンカーで島まで運ぶため、割高だった。地熱発電にしても、発電コストはこれまでとそう変わらなかった。
このため、八丈町は「二十一世紀のクリーンエネルギーのモデル島」を目指そうと、積極的に地熱発電所誘致に動いた。
3月に運転を始めた中之郷地区の地熱発電所は、地下の約300度の熱水を約190度の蒸気に変え、タービンを回す仕組みだ。出力は、町で最も需要の少ない時間帯のエネルギー量をまかなえる約3300kWにぶ。これに、ディーゼル発電を補助発電として使い、地熱発電の課題の一つである出力の不安定さをカバーしている。地熱発電の導入で、CO2の発生量は約4割減り、年間でドラム罐2万5000本の重油が節約できる。
地熱発電所は、島の主要な産業である「花卉」園芸のための「温室団地」にも役立っている。発電時に出る約40度の温水を暖房用に使用し、熱帯系の観葉植物や果樹の栽培、新種の開発もできる。八丈町にとって、地熱発電は「いいことずくめ」(産業観光課)だ。
地熱発電は、エネルギー供給全体から見れば微々たる存在だが、地域の特性に合えば、十分、利用が可能であることを八丈島の例は示した。地熱発電は、今後も着実に各地域に受け入れられる可能性がある。 |
(讀賣新聞 1999.06.03、技術進化論:クリーンエネルギーB、表記改) |
地理B第2問(配点20点、 13 のみ2点、他は3点)
正解 解説etc.
問1 8 A 基本問題。読解力試験。写真を見なくても正解可(?)
問2 9 C 基本問題。
ア=カナダ ←(∴)−水力 3,584
イ=フランス←(∴)−原子力4,152
ウ=インド ←(∴)−火力 4,496
問3 10 B 基本問題。中学水準(?)
@=米国、A=日本、B=和蘭、C=露西亜
問4 11 C 基本問題。
cf.現代グループは巨大な企業集団の代表例
問5 12 B 基本問題。
@・A・Cは大嘘
問6 13 D 基本問題。間違えようがない(?)
問7 14 A 基本的な読図問題。読解力試験。図はマンダラで作成?
地理B第3問(配点20点、 15 のみ2点、他は3点)
正解 解説etc.
問1 15 A 良問。基本問題だが……
P≒ハバロフスク=(48゚31'N,135゚10'E)、Q≒喀什(カシ)=(39゚28'N, 75゚59'E)
問2 16 @ 良問。
A=ア、B=エ、C=イ
有名な中国の農業地域区分図↓が頭に入っていれば容易。
問3 17 @ 基本問題。間違えようがない(?)
カ=平壌(Dwa)、キ=香港(Cwa)、ク=蘭州(BS)
|
|
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
全年 |
071 |
香港(65m)*
|
16.3 |
16.2 |
18.8 |
22.6 |
25.6 |
27.8 |
28.3 |
28.1 |
27.2 |
25.1 |
21.7 |
18.0 |
23.0℃ |
|
(22゚19'N,114゚10'E) |
26.8 |
50.3 |
42.6 |
184.9 |
222.5 |
428.6 |
407.6 |
526.3 |
280.3 |
124.1 |
31.4 |
35.0 |
2360.4mm |
072 |
Pyongyang(36m)* |
-6.1 |
-3.2 |
2.9 |
10.4 |
16.2 |
21.1 |
23.8 |
24.0 |
18.7 |
11.7 |
4.0 |
-3.2 |
10.0℃ |
|
(39゚02'N,125゚47'E) |
9.8 |
15.6 |
24.8 |
32.5 |
80.7 |
95.8 |
311.7 |
191.4 |
100.9 |
35.1 |
38.6 |
14.9 |
951.7mm |
084 |
蘭州(1518m) |
-5.1 |
-0.8 |
5.6 |
12.2 |
17.1 |
20.4 |
22.5 |
21.3 |
16.4 |
9.9 |
2.7 |
-2.9 |
9.9℃ |
|
(36゚03'N,103゚53'E) |
1.6 |
2.9 |
9.7 |
15.3 |
33.3 |
44.1 |
67.0 |
72.9 |
44.2 |
22.0 |
3.0 |
1.0 |
317.0mm |
(『理科年表
平成14年版』)
問4 18 C
@=D=雲南省 ←(∴)−焼畑農業
A=B=内蒙古自治区 ←(∴)−チベット仏教(ラマ教)
B=A=吉林省 ←(∴)−表音文字(=ハングル)、床暖房設備(=温突)
C=C=新疆維吾爾自治区←(∴)−日干しレンガ、イスラム教
問5 19 A ←(∴)−沿海部
@=第1次産業、B=羊、C=米
秦嶺淮河線が頭に浮かべば、C=米
海南島に着目して、@=第一次産業就業者比率、B=ヒツジ飼育頭数
問6 20 A 基本問題。
問7 21 B 一人当消費量ではないので虚をつかれた感じの問題。
小麦と造船は生産量なのですぐわかる。
@=小麦、A=自動車、C=造船
地理B第4問(配点20点、 23 のみ2点、他は3点)(地理A第4問と共通)
正解 解説etc.
問1 22 C 基本問題。
ア=B←(∴)−石炭に大きく依存
イ=C←(∴)−国境をはさんだ湖水域(=五大湖)
ウ=A←(∴)−19世紀後半に酸性雨
問2 23 @ 常識問題。間違えようがない(?)
問3 24 @ 基本問題。間違えようがない(?)
A・B・Cは大嘘
問4 25 C 図の読取問題。落ち着いて照合すれば簡単。
問5 26 B
誤りは@:日本を上回る高齢化が全国的に進行
A:外国からの大規模な人口流入
C:女性の社会進出を抑制し、出産を奨励する政策
問6 27 @
Q=東京 ←(∴)−首都
R=ニューヨーク ←(∴)−同時多発テロ
S=フランクフルト←(∴)−大河川の支流(=ライン川支流のマイン川)
cf.Frankfurt am Main, Frankfurt an der Odel
問7 28 @ 外国人以下が間違い。
地理B第5問(配点20点、 31 のみ2点、他は3点)(地理A第5問と共通)
正解 解説etc.
問1 29 E 基本問題。
ア=C:プトレマイオスの地図
イ=B:TO図
ウ=A:?
問2 30 C 基本問題。これを間違えるようでは……
問3 31 @ 常識問題。中学入試水準(?)
問4 32 B 基本的読図。中学水準(?)
cf.地形図は1:50,000「四日市」図幅
問5 33 A
@・Bを選ぶのは問題外。
図中の黒丸の大きさに着目すれば、絶対値であるのは一目瞭然。
問6 34 C 大都市近郊地域は都市化≒宅地化進行地域
D=商業・業務地←(∴)−増加が小さい
E=農地 ←(∴)−減少
F=住宅地 ←(∴)−増加が大きい
問7 35 A 常識問題。
地理A第1問(配点20点、 1 のみ2点、他は3点)
正解 解説etc.
問1 1 B 基本問題。これを間違うようでは……
問2 2 @ 基本問題。間違えようがない(?)
ア=A=長江
イ=B=オビ川
ウ=C=チグリス川・ユーフラテス川
問3 3 D 良問。
カ=リスボン(Csa)
キ=ウラジオストク(Dwb)
ク=ウルムチ(BS)
|
|
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
全年 |
015 |
Lisboa(77m)* |
11.2 |
12.4 |
14.7 |
15.4 |
17.9 |
20.5 |
22.8 |
23.0 |
21.7 |
18.4 |
15.0 |
12.5 |
17.1℃ |
|
(38゚43'N, 09゚09'W) |
95.3 |
87.7 |
50.1 |
59.5 |
54.9 |
16.7 |
5.3 |
4.6 |
28.9 |
81.8 |
104.3 |
117.1 |
706.1mm |
042 |
Vladivostok(183m) |
-12.6 |
-9.2 |
-2.0 |
4.8 |
9.7 |
13.1 |
17.7 |
19.6 |
15.7 |
8.6 |
-1.0 |
-9.1 |
4.6℃ |
|
(43゚07'N,131゚56'E) |
9.0 |
15.7 |
23.1 |
55.4 |
74.2 |
117.7 |
140.3 |
153.1 |
132.8 |
59.8 |
25.9 |
16.9 |
823.9mm |
082 |
烏魯木斉(947m) |
-12.4 |
-10.2 |
-1.6 |
10.4 |
17.1 |
21.9 |
24.2 |
23.0 |
17.0 |
8.2 |
-2.2 |
-9.5 |
7.2℃ |
|
(43゚48'N, 87゚39'E) |
9.1 |
10.1 |
18.5 |
33.5 |
35.1 |
34.5 |
28.7 |
19.7 |
25.8 |
24.5 |
17.4 |
12.8 |
269.8mm |
(『理科年表
平成14年版』)
問4 4 C 常識問題に近い。
問5 5 B 基本問題。
@=ツンドラ土、A=ポドゾル、B=チェルノーゼム、C=砂漠土
問6 6 C
@:マングローブは熱帯
A:工場や自動車の絶対数が少ない。
cf.窒素酸化物以上に硫黄酸化物の排出量が問題(?)
B:土壌の塩類集積は乾燥地域の問題
問7 7 A 基本問題
@=ノルウェー←(∴)−オーロラ、白夜、フィヨルド
A=イタリア ←(∴)−北部山岳地帯、南部(の)火山
B=中国 ←(∴)−カルスト地形 cf.桂林の塔カルスト
C=ネパール ←(∴)−世界最高峰、トレッキング
地理A第2問(配点20点、 8 のみ2点、他は3点)
正解 解説etc.
問1 8 A お馴染み写真問題。衣裳に着目すれば簡単。
@=ドイツ、A=メキシコ、B=日本、C=ガーナ
問2 9 C 基本問題。中学水準(?)。
仏教→ヒンズー教
問3 10 B
@:中央アジアの半乾燥地域→アルゼンチン・ウルグアイのCfa〜BS気候地域
A:オリーブ→綿花
C:アラビア海→カリブ海
問4 11 A ←(∴)−米、豚、鶏
問5 12 B
国内留学生数の国別上位三ヶ国は中国、韓国、台湾の順。受験の常識。
平成11年以降の統計は文部科学省のHPにある。
問6 13 E 最大の宗教徒に着目
P=フィリピン ←(∴)−キリスト教徒
Q=タイ ←(∴)−仏教徒
R=インドネシア←(∴)−イスラム教徒
問7 14 A
@:インド・バングラデシュはイギリスの旧殖民地
B:ヨーロッパ→南米
C:韓国系が中国系を上回っている事実はない
地理A第3問(配点20点、 20 のみ2点、他は3点)
正解 解説etc.
問1 15 @ 良問。
わが国の主要貿易品目である自動車の二大輸出基地といえば、大手企業が立地している名古屋と横浜であり、成田、東京は精巧な機械製品の輸出基地である。輸入品では、東京をはじめとする大消費地に近い港は食料品や衣類の輸入が多く、工業地帯に隣接する千葉、川崎の港では、エネルギー資源の輸入が多い。港別に輸出入をみると、それぞれの地域の産業的特徴がわかる。 (『日本国勢図会
2004/05』p.347、ママ)
問2 16 @ ←(∴)−液化天然ガス、原油
A=韓国 ←(∴)−鉄鋼、魚介類
B=アメリカ←(∴)−航空機
C=中国 ←(∴)−衣類、はきもの
問3 17 C
@:多い→少ない
A:2002年は米国362.7万人、中国298.7万人、韓国232.1万人、香港139.5万人の順。B:国籍別外国人登録人員(2002年末)は1852千人で、その比率は韓国・朝鮮33.8%、 中国22.9%、ブラジル14.5%、フィリピン9.1%、以下ペルー、米国の順。
問4 18 C 常識問題。小学生でも解答可能(?)
問5 19 D 常識が働けば間違えない(?)
カ=ロシア←(∴)−東日本が多い
キ=韓国 ←(∴)−西日本が多い
ク=中国 ←(∴)−半々=日本全国
問6 20 C 常識問題。小学生でも解答可能(?)
問7 21 A 基本問題
※久しぶり(?)のリード文のある問題だが、リード文を読まなくても充分解答可能。
地理A第4問(配点20点、 23 のみ2点、他は3点)(地理B第4問と共通)
地理A第5問(配点20点、 31 のみ2点、他は3点)(地理B第5問と共通)