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初稿=H20(2008).01.19
本稿=H20(2008).01.23
 
 
2008CT本試 地理 について
 
 
※@大問数は、3年連続で地理Aは5問、地理Bは6問。この形式が当分続くと思われる。
 A解答数は地理A・地理Bともに36問。
 B今年は、複数解答問題が皆無。共通一次も含めて初めて(?)
 C地形図読図は、共通問題の地域調査分野。外国地形図は今年もなし(6年連続)。
 D写真を使った問題は、地理Aのみで地理Bは無かった(2年連続)。
 E図表を使った問題は、地理A・地理B共相変わらず多い。統計集に親しむことも必要。
 F地図でおさえる、地図帳に親しむ、という学習が必要。
 G地理B(A)履修・受験者は、地理A(B)の過去問に目を通しておくことが必要。
 
 
(40゚N, 80゚E)中心の正距方位図法全球図
 
地理B第1問(配点16点、 1  5 が各2点、他は各3点)
       正解 解説etc.
問1  1  C 基本問題。
=ローマ附近=Csa−(∴)→C
以外は、
=五大湖南岸附近=Dfa〜Cfa−(∴)→B
=ロッキー東麓附近=BS〜Cfa−(∴)→A
=遼東半島附近=Dwa−(∴)→@
『理科年表』で確認した結果、
@=c=大連、A=b=デンバー、B=a=コロンバス、C=d=ローマ














 

 

都市      月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

全年

027
 

Roma(2m)*
(41゚48'N, 12゚14'E)

8.4
74.0

9.0
73.9

10.9
60.7

13.2
60.0

17.2
33.5

21.0
21.4

23.9
8.5

24.0
32.7

21.1
74.4

16.9
98.2

12.1
93.3

9.4
86.3

15.6℃
716.9mm

180
 

大連(97m)
(38゚54'N,121゚38'E)

-3.6
9.2

-0.6
7.6

5.9
13.2

14.2
35.0

19.9
43.8

24.4
81.9

26.3
173.4

24.9
151.0

20.1
63.6

13.2
28.3

4.7
20.3

-1.4
11.2

12.3℃
638.5mm

149
 

Denver(1626m)
(39゚47'N,104゚52'W)

-1.0
12.0

1.3
12.0

4.8
31.3

8.9
47.6

14.1
61.3

19.8
38.3

23.1
57.1

22.1
45.0

17.2
28.0

10.8
26.1

3.5
24.3

-0.5
17.5

10.3℃
400.4mm

302

 

Columbus(254m)
(40゚00'N, 83゚52'W)

 

-3.1
52.3

 

-1.3
56.9

 

4.9
83.1

 

10.6
81.8

 

16.2
99.9

 

21.1
102.5

 

23.4
109.5

 

22.3
97.6

 

18.6
75.4

 

12.1
54.6

 

6.0
81.8

 

-0.1
72.5

 

10.9℃
967.9mm

 
(ローマ・デンバー:『理科年表 平成19年版』、大連・コロンバス:『理科年表 平成6年版』)
問2  2  A 基本問題
A=×←(∴)−颱風は赤道上では発生しない。                
問3  3  D 基本問題
←(∴)−古期造山帯(=スカンジナビア山脈)、フィヨルド
←(∴)−楯状地(=ローレンシア楯状地)
←(∴)−新期造山帯(=環太平洋造山帯)、火山
問4  4  B 
←(∴)−チベット高原
←(∴)−天山山脈、西シベリア低地
←(∴)−パミール高原、エルブールズ山脈
問5  5  A 基本問題、中学水準(?)
=モルジブ
問6  6  A 基本問題、間違えようがない(?)
=マダガスカル島で、7月以外でも東岸への卓越風は南東貿易風。
 
※初見の地図(図1)をもとに、基礎・基本を問う良問で構成された、完成度の高い大問である。
 作問者に敬意を表したい。
 問3の「楯状地」や問5の「礁」へのルビは不要と思われる。
 
 
 
地理B第2問(配点16点、 8  9 が各2点、他は各3点)
       正解 解説etc.
問1  7  B 基本問題。着眼点を誤らなければ簡単だが……
=アルミニウムの生産量←(∴)−ノルウェー
=ボーキサイトの生産量←(∴)−ジャマイカ、ギニア
=アルミニウムの消費量←(∴)−日本
問2  8  B 
C=原子力←(∴)−オーストラリアには無い
B=石炭←(∴)−オーストラリアで構成比が一番
@=天然ガス←(∴)−構成比:イギリス>ドイツ ※北海ガス田
A=石油
問3  9  @ 
@A=カナダ・ロシア←(∴)−全体の輸入依存率が低い
@=ロシア、A=カナダ←(∴)−ロシアの方が自給率が高い=輸入依存率が小さい
BC=日本・フランス←(∴)−全体の輸入依存率が高い
B=フランス、C=日本←(∴)−フランスの発電の75%前後は原子力発電
問4  10  D 
=ノボクズネツク←(∴)−炭田、鉄鋼業
=ヤクーツク←(∴)−毛皮の交易
=モスクワ←(∴)−工業が総合的に発達
問5  11  B 
@AC=×、大嘘は明らか
問6  12  A 
A=×←(∴)−水産加工は原料地(=水揚港)立地
 
※標準的な鉱工業の問題。 8  9 の配点が2点なのは平均点対策か(?)
 
 
 
地理B第3問(配点16点、 14  18 が各2点、他は各3点)
       正解 解説etc.
問1  13  A 
一目、@=アジア、C=オセアニアはわかる。
人口の伸びを考慮して、A=中央・南アメリカ、B=CIS
問2  14  E 基本問題
=アブジャ@ナイジェリア←(∴)−社会・宗教集団間の対立が比較的少ない
=アンカラ@トルコ←(∴)−祖国解放運動
=キャンベラ@オートラリア←(∴)−二つの主要都市(=メルボルンとシドニー)
問3  15  @ 
1950年に80%近くの都市人口率−(∴)→@=イギリス
経済成長の伸びを考慮して、A=韓国、B=フィリピン、C=インド
※都市人口率:韓国>日本
問4  16  A 
@=×:小さい→大きい
B=×←(∴)−都市計画にもとづくスプロール現象、なんてありえない
C=×:高い→低い
※類題=2003年追試験第2問問2
問5  17  B グラフの単純読取問題
B=×:1980年代→1970年前後
問6  18  A 常識問題
 
※問5のグラフ(図3)は授業で使える。
 
 
 
地理B第4問(配点17点、 23 が2点、他は各3点)
       正解 解説etc.
問1  19  A 基本問題。
@BC=×、は明らか
@:ヒマラヤ山脈は成長が続いている
B=デカン高原は黒色土のレグール
C=セイロン島に火山はない
問2  20  D 
=コルカタ←(∴)−サイクロン
=カトマンズ←(∴)−1年を通して温暖
=カラチ←(∴)−年降水量が200mmより少ない
問3  21  E 
=綿花←(∴)−デカン、パンジャブ
=小麦←(∴)−ガンガ中流域〜パンジャブ
=米
問4  22  A 
大嘘。輸入代替型から輸出指向型への工業化が一般傾向
問5  23  A 統計集を使った学習をしていれば簡単だが……
=インド←(∴)−ダイヤモンド
=スリランカ←(∴)−茶
=パキスタン
問6  24  B 基本問題。中学水準(?)
@=パキスタン←(∴)−ウルドゥ−語
A=スリランカ←(∴)−シンハラ語
B=バングラデシュ←(∴)−ベンガル語
C=ネパール←(∴)−ヒンドゥー教徒
 
※南アジア地誌の標準的な問題
 
 
 
地理B第5問(配点17点、 25 が2点、他は各3点)
       正解 解説etc.
問1  25  E 常識力が試されている(?)
=20%以上←(∴)−北欧
=10%未満←(∴)−乾燥アジア・アフリカ北半
=10〜20%未満
問2  26  A 地理を勉強していなくても解答可能(?)
図の35歳のところに線を入れてやれば答えやすい
問3  27  B 
B=×:農村部→大都市部
問4  28  C 基本問題
@=×:東方正教徒→カトリック
A=×←(∴)−民族問題は解決していない
B=×:スペイン語→ポルトガル語
問5  29  A 正解は一目でわかる
A=ドイツ←(∴)−トルコ
その他は
@=フランス←(∴)−アルジェリア・モロッコ=旧仏領
B=スペイン←(∴)−エクアドル・コロンビア=スペイン語圏
C=スウェーデン←(∴)−北欧諸国
問6  30  B 基本問題。間違えようがない(?)
←(∴)−ユダヤ人国家=イスラエル
←(∴)−国(=ユーゴスラビア)の体制が崩壊
←(∴)−干ばつ、内戦
※“干ばつ”のような交ぜ書きは下品。干魃or旱魃とすべき
 
※問1・問2は「受験勉強」不要の問題
 
 
 
地理B第6問(配点18点、各3点)(地理A第5問 30  35 と共通)
       正解 解説etc.
問1  31  @ 基本問題
@=×←(∴)−住宅地図で人口構成などがわかるわけがない
問2  32  @ 基本問題
ABC=×、は明らか
的確な表現にするなら、
A:流線図→円(グラフ)図(内訳の構成表現も可能)
B:等値線図→棒(グラフ)図(長さで量を把握し易い、四角柱なども可)
ドットマップ(観光客の居住地がわかるなら)
C:ドットマップ→流線図(便数や寄港地も表現可能)
※ドットマップには点描図という日本語があるのだが……
問3  33  C 基本問題。
@B=砂州・潟湖は普通同時に見られる
問4  34  A 単純読図問題。中学水準(?)
A=×:工業団地→病院等
問5  35  @ 
中国地方の中心都市は広島市、四国の中心都市は高松市だから、
卸売額の大きい@Bが高松市・広島市、小さいACが岡山市・松山市
製造品出荷額の大きい@=広島市、小さいB=高松市
製造品出荷額の小さいA=松山市、大きいC=岡山市
※表中の農業産出額の単位は「千万円」:入試センター2008.01.22訂正発表
問6  36  B 読解力試験
B=×:減少した→変化がない
 
※地域調査に地形図を絡めた標準的問題
 
 
 
東京からの32方位線@メルカトル図法
 
地理A第1問(配点16点、各2点)
       正解 解説etc.
問1  1  B 地図帳(帝国・二宮)の最初の頁に載っているのだが……
=ロンドンは、ほぼ北北西
=セウタは、北北西よりやや西
=ムンバイは、ほぼ西
=カーナーボンは、南南西よりやや西。パースがほぼ南南西
問2  2  A 中学水準(?)
東京0800=ロンドン2300=バンクーバー1500
問3  3  B 
気温の年較差は赤道から極に向かって拡大する。赤道に最も近いのは
問4  4  A 
=フィリピン海溝
問5  5  C 算数の問題
1浬(海里)=緯度1分、を知っているか(?)
90度=60分×90=5400分。10000km÷5400≒1852m。
問6  6  @ 常識があれば……
問7  7  @ 間違えようがない(?) 中学水準(?)
問8  8  E 写真問題
=タイ←(∴)−冠
=ニュージーランド←(∴)−マオリ
=ハンガリー
 
 
 
地理A第2問(配点21点、各3点)
       正解 解説etc.
問1  9  B 
B=韓国←(∴)−日本への旅行者数が一番多い
C=フランス←(∴)−イギリスに近い
@=アメリカ←(∴)−ハワイ、グアム等を考慮
A=中国←(∴)−「台湾、香港、マカオを含まない」
問2  10  A 常識問題
@=×:鉱業→農業
B=×:漁業→農業
C=×:金融業→農業
問3  11  C 
アフリカに着目して、=留学生・研究者・教師
アフリカとアジアに着目して、=民間企業従事者
=政府関係職員
問4  12  D 
=中国←(∴)−常識
=韓国←(∴)−貿易総額=輸出額+輸入額
=サウジアラビア
問5  13  @ 
ACには日中韓三ヶ国共不加盟は常識
BのOECDは“先進国倶楽部”と呼ばれる存在で、中国は加盟していない
問6  14  A 
@BC=×、は明らか。大嘘
問7  15  B 
=アメリカ←(∴)−牛肉2005年にない=BSE問題で輸入禁止
=中国←(∴)−鶏肉2005年にない=鳥インフルエンザの影響
=オーストラリア
 
 
 
地理A第3問(配点24点、各3点)
       正解 解説etc.
問1  16  C 
@=×←(∴)−上流部での降水は多くない
A=×←(∴)−非結氷期の五大湖の水運は活発
B=×←(∴)−古期造山帯に銅山は殆どない
問2  17  B 間違えようがない(?)
問3  18  C 間違えようがない(?)
=ヒスパニック系←(∴)−トウモロコシ
=ベトナム系←(∴)−米粉
=ドイツ系←(∴)−ソーゼージ
問4  19  A 
大嘘:サンベルトへの進出は1980年代以降、精密機械工業の進出などありえない
問5  20  B 基本問題
@←(∴)−サイロ、牛舎
A←(∴)−冬小麦、企業的穀物農業
B←(∴)−綿花栽培
C←(∴)−地中海性気候
問6  21  @ 写真問題
=サンフランシスコ
=シカゴ
=ワシントン
問7  22  C 表の単純読取問題。受験勉強不要
C=×:3割→1割
問8  23  B 常識問題
=○
=×←(∴)−発展途上国でのテレビ・新聞は先進国ほど発達していない
 
 
 
地理A第4問(配点18点、各3点)
       正解 解説etc.
問1  24  B 図の単純読取問題。受験勉強不要
@AB=×:低い→高い
問2  25  A 基本問題
A=×:天然ガス→水力
問3  26  C 間違えようがない(?)
←(∴)−酸性雨
←(∴)−森林伐採
←(∴)−砂漠化
問4  27  B 
伝統的な技術=上総掘り
を選ぶのは問題外だが、の判断は困難。
※G=ミンダナオ島での上総掘りによる井戸掘りは知識として知っていたが、
 Hでは本当に上総掘りによる井戸掘りはしていないのか(?)
問5  28  E 
=東アジア←(∴)−日本のODAはアジア諸国が中心で、国別では中国へが多い
=西アジア←(∴)−アジア諸国が中心
=中央・南アメリカ
問6  29  B 
@=×←(∴)−「原木の輸出拡大を図る」は明らかな誤り
A=×←(∴)−「緑の革命」は「伝統的な農業技術」ではない
C=×←(∴)−「新エネルギーを全廃」という事実はない
※問4は、一行の説明文だけでは正解にたどり着くのは困難と思われる。
 問5は、単年度の統計だけでは不充分と思われる。
 従って、第4問は完成度が格段に低い。
 
 
 
地理A第5問(配点21点、各3点)( 30  35 は地理B第6問 31  36 と共通)
       正解 解説etc.
問1  30  @ 基本問題
@=×←(∴)−住宅地図で人口構成などがわかるわけがない
問2  31  @ 基本問題
ABC=×、は明らか
的確な表現にするなら、
A:流線図→円図(内訳の構成表現も可能)
B:等値線図→棒(グラフ)図(長さで量を把握し易い、四角柱なども可)
ドットマップ(観光客の居住地がわかるなら)
C:ドットマップ→流線図(便数や寄港地も表現可能)
※ドットマップには点描図という日本語があるのだが……
問3  32  C 基本問題。間違えようがない(?)
@B=砂州・潟湖は普通同時に見られる
問4  33  A 単純読図問題。中学水準(?)
A=×:工業団地→病院等
問5  34  @ 
中国地方の中心都市は広島市、四国の中心都市は高松市だから、
卸売額の大きい@Bが高松市・広島市、小さいACが岡山市・松山市
製造品出荷額の大きい@=広島市、小さいB=高松市
製造品出荷額の小さいA=松山市、大きいC=岡山市
※表中の農業産出額の単位は「千万円」:入試センター2008.01.22訂正発表
問6  35  B 読解力試験
B=×:減少した→変化がない
問7  36  A 
←(∴)−原爆ドーム
←(∴)−橋が架かってる
 
※地域調査に地形図を絡めた標準的問題
 
 
 
  cf.http://www.ken-ohashi.jp/contents/2b/dagakki3/05series/32houi.html