過去の例会報告


地理教育部会 2005年度 4月例会

日 時: 2005年4月9日(土) 

場 所: 大阪教育大学附属天王寺中・高等学校 南館3階教科教育センター

参加者
石井 孝行(元大阪教育大学)       磯  高材(元大阪市公立学校長) 公文  弘(元追手門学院中・高等学校) 
 神吉 正雄(武庫女大附属中・高等学校)  奥舍 憲雄(金蘭千里中・高等学校)    冨田 健治(清風南海中・高等学校)
奥村  脩(元西宮市立西宮東高等学校)  奈良 芳信(清風南海中・高等学校)  篠田 龍也(京都市立堀川高等学校)    
吉水 裕也(岐阜聖徳学園大学)  桑名 智寛(大教大附属天王寺中学校)   冨田健太郎(智辯学園和歌山中・高等学校) 
水町 友美(奈良県川西町立結崎小学校) 

4月例会報告
 石井 孝行先生
   「中越地震による地形変状」  (平成16年新潟県中越地震は10月23日に発生)

石井先生は、中越地震発生後まもなく、友人の専門家の方々と、現地の被災状況を視察され、その状況をDVDに収録された。今囘、その映像を通して、被害の状況について詳細に解説された。

 なお、宿泊地と現地(踏査地)とが少し離れていたうえに、被害が甚大で通行不能箇所が多数あり、被災地への入域制限もあり、加えて日暮れが早く、踏査=視察範囲も限られたものであった。


高速道路:盛土部分に損傷が多い。走行可能部分は修復されているが、未修復部分は路面が波打っている。切り通しの側壁は、表面部分が崩れ落ち、車線を塞いでいる。

地辷り:各所で、広範囲に発生。川を塞いで天然ダム化している(堰止湖)。余震で階段状に土砂が貯まっている。土壌は柔らかく粘りが少ない。一般に、雪崩常襲場所に多く見られた。

燈籠の転倒・移動:燈籠の石台にズレがあり、加速度の算出に利用できる。

家屋の柱の移動:基礎の土台と家屋の柱にズレがあり、加速度の算出に利用できる。

段丘崖崩壊:段丘上の水田や畑が、段丘崖の崩壊や水田の漏水により、次年度の耕作・作附けが難しそうである。冬季の積雪で工事が不可能なので。

一般道路:いたるところに路面の陥没が発生している。

山体崩壊:母子の乗った乗用車が巻き込まれ、母親は死亡、子供は三日後に救出された地点は、一塊り何噸もある岩石がブロック状に崩壊。

小平尾地区:尾根上に地割れが走る(北東〜南西方向)。地割れのそばに、噴出したと思われる、馬糞程度の大きさの小石状の土塊を多数発見。水田にも地割れが幾筋も続く。地辷りで道路が破壊され、通行不能。崩落斜面下も歩行が困難(危険度大)。谷底も樹木の状況から見て、土壌が地辷りで移動している。



 資料提供
磯  高材さん 3月25日に東京品川のコクヨホールで開催された“地震動予測地図ワークショップ”に參
加し、予稿集の中から一部の關係地図や資料を提供された。なお、3月24日附朝刊各紙で“地震動予測地図”が報道されている。
a 30年以内に震度6以上の確率を示す全国地震動予測地図(朝日新聞)
b 全国主要98活断層による地震の確率(朝日新聞)
c 海溝型地震の確率(朝日新聞)
d 解説・地図の見方(朝日新聞)
e 全国地震動予測地図:公表された原図(予稿集)
f 近畿地方の活断層30年最大確率表(予稿集から抜粋集約)
g 震源断層を特定した地震動予測図:琵琶湖西岸断層、山崎断層(予稿集)


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