地理教育部会 2006年度 12月例会

日 時: 2006年12月9日(土) 

場 所: 大阪教育大学附属天王寺中・高等学校 2階視聴覚教室

参加者
菊地 博規(帝國書院)        宮村 誠二(帝國書院)
磯  高材(元大阪市公立学校長)   橋本九二男(元大阪府立高校)
奧舍 憲雄(金蘭千里中・高等学校)  冨田 健治(相愛中・高等学校)
吉水 裕也(岐阜聖徳学園大学)    桑名 智寛(大阪教育大学附属天王寺中学校)
冨田健太郎(清風南海中・高等学校)  奈良 芳信(清風南海中・高等学校)


 「カフカス三国最新事情」  菊地 博規(帝國書院) 

 菊地氏は、ベストワールド株式会社が主催する「金坂清則先生と歩く魅惑の大地カフカスを巡る地理体験の旅」に參加され、カフカス三国──アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア──で撮影した数多くの寫眞の中から、自然・歴史・産業・文化など地理的要素のものを紹介された。

バクー
  • 市内に改築中・新築中のビルの多さが目立った。世界的な原油高騰の利益によると思われる。
  • 行政官庁街は広い道路に車は少なく、人もまばらな広い歩道がつくられている。交叉点を見張る警官は、木陰に居て、徐行注意義務だけで交通整理の必要は無いようだ。
  • 郊外は個人住宅が緩やかな斜面を利用して建っていた。市内は集合住宅が多い。世界遺産の城壁内旧市街は、古い建物をそのまま利用して歴史を感ずる。
  • ゾロアスター教寺院は、火の祭を常時行うようだ。室外に小さな櫓を組み、地表に近い地中から天然ガスを採取して活用し、余りを塀外で燃やしていた。
  • モスク:尖塔はどれも30mはある。内部はシャンデリア、ステンドグラスをふんだんに使用、室外に水道栓が多く並んでいた。
  • 油田:カスピ海上に櫓が林立。漏れた原油汚染(汚濁)の様子は不明。黒海方面へ延ばす新しいパイプラインは、日本企業も参加してかなり完成しているという。
  • 工場地帯:石油関連の旧ソ連時代の工場は順次廃業、新工場が増えつつある。EUからの投資を得て新工場をつくる計画は未だ実現していないようで、広大な用地がそのままになっていた。

西方への道
  • シルクロードの一部は遺跡調査により、石器時代から通行されていたらしい。岩山の岩と岩の間に細い道が通じ、岩の表面に絵文字が刻まれている。
  • 道路脇に火が走る。しみ出た天然ガスに引火しているようだ。
  • 草地の砂漠化がすすみ、次第に高地に移動しているようだ。雨裂で生じた崖や谷がそのままで、上が放牧場となっており、牛・馬・羊が放牧されていた(一部にダムも出来ていた)。

シエキ
  • 家庭訪問できた家はステンドグラスを多用し、天井からも採光し、美しい室内であった。
  • バザールでは、パン屋(製造・販売)と西瓜屋(西瓜は本邦産と同形)が多かった。

トビリシ
  • 川と運河に恵まれた都市であった。工場は旧ソ連時代のものがあるが、今は稼働していない。
  • 人参は日本のものを見慣れた者から見れば、品種(品質)改良の必要を感じた。
  • スターリンの生誕地ということで、土産物屋には、関連品が並んでいた。

エレバン

  • 旧ソ連との関係を路上に戦車を飾り記念品としていた。
※膨大な発表だったので、一部のみです

 資料提供
磯  高材 地震がわかるQandA小冊子(文部科学省研究開発局)
西南日本の立体地形図(国土地理院)
  ※日本海溝〜伊豆小笠原海溝、琉球海溝〜南海トラフ〜駿河トラフ、相模トラフ、海溝三重点などがよくわかります。
“地図展2006 in 大阪”からのレジメのコピー
  ・伊藤  等:やさしい地図の読み方〜読図の実際〜
  ・鈴木美和子:土地条件から分かる地震の被害
  ・大滝 三夫:動く地球 歪む大地の一部
奈良 芳信 インド洋ダイポールモード現象(産経新聞 2006.12.04)
日本人解剖 顔(産経新聞 2006.12.04)


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