過去の例会報告 |
参加者 |
古川浩(元大阪市立中学校長)・磯高材(元大阪市立中・高校長)・ 奥舎憲雄(金蘭千里)・奈良芳信(元大阪府立高校)・吉水裕也(岐阜聖徳学園大学) 冨田健太郎(智辯学園和歌山高校)・桑名知寛(教育大中・高校) |
地理教育における文化衝突による社会変容と社会問題の認識とその取り上げ方 (文化地理学習の一展開試案) 吉水 裕也 氏 |
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表題に関しての文明・文化論について、サミュエル・ハンチントン氏の「文明の衝突論」、アイザイア・バーリン氏の「理想の追求からの文化多元主義論」、青木保氏の「多文化世界論」について解説された。 |
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これらの論点を整理して、本研究の論題の分析フレームワークを作成した。 | |||||||
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B |
次に(1)〜(5)の観点から「高校地理A」の中等教育における地理的分野では、最も文化についての取り扱いが大きい。現行のA社・B社の教科書には、どのように記述されているか、分析を試みた。 |
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C |
教科その分析の結果 ○社会変容や社会問題の原因の一つが、文化衝突であることの明示がない ○社会学的文化に関しては、さまざまな形での文化の変容にもそこで発生している価値葛藤の過程がかかれていない。 ○人類学的文化に関しての対処には、国家・政府としての衝突回避の記述がある。 ○全体としての社会問題に関しての記述が少ないなどの指摘ができた。 |
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D |
また、社会問題への対処の方法として、継続的対話という視点も欠落しているのではないかと思われる。授業中という短時間では解決策を見つけることは難しいか、争点を整理して事例などで表記してはどうかと考える。 |
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E |
分析の結果をふまえ、文化衝突による社会変容と社会問題の具体例をあげ、その解決に向けての現状を批判的に検討する。そして、それらの問題点を明らかにして継続的対話という解決方法を探る授業を構成する。 |
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F |
その具体的な”文化地理学習”の一例として次の授業案を作成した。 第1時 押し寄せる日本文化・日本企業(台湾のコンビニ、炊飯器) 第2時 文化衝突の実験場としての捕鯨問題 第3・4時 社会資本としての地名・住居表示 |
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G |
実際の授業を実践し、目的を達成しているかについて検証を行うことが課題である。 |
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提供資料 発表要項(教科書分析表・授業展開案・資料抜粋) |
資料提供 |
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奥舎 憲雄氏 |
「模擬テスト地理B」3年生 第3回 |
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奈良 芳信氏 |
授業資料 ASEAN・APEC貿易統計 |