過去の例会報告


地理教育部会 2002年度 10月例会 

日 時: 2002年10月12日(土) 14:30〜17:00

   場 所: 大阪教育大学附属天王寺中学校 視聴覚教室

   内 容: 「激動の時代の地理教科書−アフリカから考える−」  京都大学 島田周平教授 

島田先生のHP http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/

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10月例会報告

◎激動の時代の地理教科書 アフリカから考える  京都大学 島田周平教授

  今回は冨田健太郎さんの尽力で,島田先生の講話を拝聴する機会を得た。先生は教科書問題から離れて,地理教育についての平素の考えの一部を述べられた。

 (1)学び方を学ぶ学習をさせるにはどうすればよいか。

 (2)変化する時代に主体的に対応できる能力を育てるにはどうすればよいか。

 (3)事実認識の方法を身につけさせるにはどうすればよいか。  の3項目をあげて解説された。

 系統地理学習においても地誌的考察が行われるが,系統地理が目指す科学的な法則・グローバルな視点,フレーミングの重要性などが,高校地理で重視される。

 しかし,地誌的内容は様々なローカルな視点があり,学習者の興味・関心を高め,学習効果のいっそうの高まりが期待される。さらに系統的なものと地誌的なものを往復して指導することも重要なことと考える。

 地理学を環境学(自然・地球物理)と人間行動学(政治・経済・社会)の統合学問と考えるならば,「アフリカ」ほど課題を提供してくれる地域は他にないだろう。

 アフリカの大半の国々は,第二次世界大戦後に植民地から独立した。独立に伴う問題,米ソ冷戦の影響,政治混乱,経済停滞,リスクの増大,農牧生産の脆弱,環境破壊と環境激変,国内での民族対立,エイズと高死亡率など,人的ネットワークをどのように教科書で扱うかが最大の問題点と考える。

 参考に,ナイジェリア農村地帯を巡検された時の写真を数々紹介され,現地農民の日常の食糧生産について,解説された。

  <参考資料>高校地理A教科書 (帝国書院刊)

【資料】 吉水裕也さん 「位置と分布」に関する問題発見構造−日英教科書分析を通して−,新地理49−4

       巽 正憲さん デリー・シティーマップ(インド観光局)/雑誌「堺・泉州」 泉州やさかい・そや堺 (13号特集@)

★このたび会員の奥村脩さん(昭和45年卒)より,地理教育部会の活動・発展と通信費に使ってほしいと,1万円が寄付されました。有効に活用させていただきます。

(参加者)敬称略:島田周平(京大),守田優(大教大名誉教授),古川浩(元大阪市立中校長),磯高材(元大阪市立中・高校長),橋本九二男(元大阪府立高校),奧舎憲雄(金襴千里高校),神吉正雄(武庫川女子大附属高校),巽正憲(ソフィア堺・プラネタリウム),奈良芳信(府立西寝屋川高校),奥野一生(府立東豊中高校),岡森啓(清風南海学園),吉水裕也(大教大附属天王寺中・高校),射手矢武(清風南海学園),鈴木良典(三重県立伊勢工業高校),冨田健太郎(智弁和歌山高校),林育史(新宮市立三輪崎小学校),宮村誠二(帝国書院)



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