地理教育部会 2009年度 11月例会

日 時: 2009年11月14日(土) 

場 所: 大阪教育大学天王寺キャンパス 中央館 5階 520教室

参加者
正木 久仁(大阪教育大学)      磯  高材(元大阪市公立学校長)
奥舍 憲雄(金蘭千里中・高等学校)  奥野 一生(大阪府立大和川高等学校)
冨田健太郎(清風南海中・高等学校)  奈良 芳信(金蘭千里中・高等学校)


 「話題提供 ちょっと気になる事柄(第三回)
   〜読むだけですっきりわかる日本地理』(宝島SUGOI文庫)を材料に〜」
  奈良 芳信
 日本經濟新聞11月11日附夕刊によると、13万部も売れている『読むだけですっきりわかる日本地理』だが(『……日本史』は50万部)、明らかな誤りや説明不充分で誤解を招きかねない箇所のいくつかを紹介された。

・地図 a北海道地方の地形(p.14)、
     b東北地方の地形(p.41)、
     c東北地方の交通と工業・伝統工業(p.57)、
     d関東地方の地形(p.69)、
     e中部地方の農林漁業・工業と伝統工業(p.113)、
     f近畿地方の地形と農林業、
     g近畿地方の工業と伝統工業(p.144)、
     h近畿地方の交通と観光

・堺泉北臨海工業地域のルビ (p.145) 

※奈良氏はざっと適当に流し読みしていて、目が点になり、今回の紹介になった、と報告された。

 本文そのものは「『超かたりかけ』文体」(日經夕刊)なので、少々のことは目をつぶるとしても、本文の助けとなるべき地図は、相当いい加減で、「誤解を招く」レベルを超えて、誤解を拡大再生産するようなものとなっている。

自らの知識等の再点検には役立つ一冊。読みやすいが、生徒向けにはお薦め厳禁の一冊。

※紙面の都合で以下省略



 「個人巡檢報告」 奥野 一生
現地で撮影した写真を投影しながらの説明であった

@ 2009年8月7〜9日 那須・塩原・鬼怒川・日光・足尾
A 2009年9月21・22日 リトルワールド・義父・郡上八幡・美濃
B 2009年10月1〜3日 久米島
日本島嶼学会久米島大会の模様も報告された。

※紙面の都合で詳細は省略




 資料提供
正木 久仁 「京都の歴史風景」(ニューFHG創立20周年記念講演パンフレット)
磯  高材 「東大寺開田地図 越前国足羽郡糞置村地図」(正倉院展より)

※もとの条里の方格線を描き、地番と田一段・野一段と土地の種類と面積を書いている。また、平地と山地を区別するため麓に山脚線を入れ、山には稜線を描き、樹木の図様(葉模様)を入れている。
 この図は751〜767年頃に作成されたと思われると解説していた。
 地図が展示されたのは極めて珍しい。よほど有名な御物でも次の展示は最低10年以上、一通り展示 物を見るには数十回見学の必要があるという。こような地図は17枚残っているらしい。

寫眞=韓国船と衝突し船首破損の護衛艦くらま(門司港で撮影)
奈良 芳信 『月刊島民 中之島 16号』(月刊島民プレス)
「ちょっと気になる事柄(第3回):資料」(A4判4枚)
「ベストセラーの裏側 後藤武士『読むだけですっきりわかる日本史』」(日本經濟新聞 2009.11.11 夕刊)
「本州一低い分水嶺≠歩く」(日本經濟新聞 2009.11.11 夕刊)
「話の肖像画 地図が語る古代ロマン 上・中・下」(産經新聞 2009.11.10・11・12)
「日本は今こそ龍馬の『船中八策』を」(李登輝講演、Will-2009年11月号)
「飛鳥の観光地図」(飛鳥びとの館)
奥野 一生 「巡檢報告 2009年8・9・10月」(A4判1枚 表裏両面印刷)
   地図:栃木県、那須・塩原、中部地方、郡上八幡、久米島、等
『足尾ガイド−2006年2月発行−』(足尾町)パンフレット:「和紙とうだつのまち」美濃市(美濃市)、
「水とおどりの城下町」郡上八幡(郡上市商工観光部観光課)、
「足尾銅山観光」(足尾銅山観光管理事務所)
「佐久間レールパーク」(JR東海)
「世界の肉料理」(リトルワールド)
『レジャーの空間』『観光の空間』(ナカニシヤ出版)
図書紹介:神田孝治編著『レジャーの空間』
冨田健太郎 二学期中間考査(対象:高一)


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