地理教育部会 2011年度 11月例会

日 時: 2011年11月12日(土) 

場 所: 大阪教育大学天王寺キャンパス 中央館 5階 514教室

参加者
正木 久仁(大阪教育大学) 磯  高材(元大阪市公立学校長)    奥舍 憲雄(金蘭千里中・高等学校)
奈良 芳信(金蘭千里中・高等学校)  冨田健太郎(清風南海中・高等学校) 



 「最近の教材研究での疑問点」  冨田 健太郎
普段、教材研究をしていて疑問に感じたことについて、意見を求めた。

1 アジアのIT政策 韓国・マレーシア
 韓国とマレーシアでパソコンの普及台数が多い理由を問う、2006年の東京大学の問題があり、
2か国でどのような政策がとられているかを調べた。

  韓国では1999年にサイバーコリア21が策定され、IT教育の普及や高速通信網の整備がなされた。
 韓国は日本よりもインターネット環境が早くに整備され、学校現場でも今から15年ほど前(Win3.1時代)に教員2人につきパソコンが2台 用意されていた話を聞けた。

  マレーシアはマルチメディア・スーパー・コリドー構想がマハティール首相の強力な指導のもと1996年に計画され、
 新首都プトラジャヤと電脳都市サイバージャヤがつくられている。現在もサイバージャヤに企業が進出している。


2 農業の土地生産性について
 大規模農業を行っているアメリカ合衆国の単位面積当たりの穀物収穫量が増加傾向にある。考えられる理由として、遺伝子組み換え作物の普及で、収穫量が増加したと考えられる。

3 北アイルランド問題
  帝国書院の地図帳では北アイルランドのカトリック(約40%)とプロテスタント(約30%)の割合がカトリックの方が多い値になっており、統計の中身についてきいた。統計にはアイルランド聖公会が分かれて書かれており、これもプロテスタントに含めてもいいかを確認した。実際、細かい教義の違いはあるが、含めて考えるべきという意見になった。


4 TPP
 日本の参加が決まる前であったが、TPP関連の新聞記事と交渉参加国の貿易データを示した。詳しい内容などがわからず、来月TPPについて、わかる範囲で内容を検討することになった。
 

5 オガララ帯水層
 
ある問題集でセンターピボットによる環境問題についてのべる問いがあり、その模範解答の中に地盤地下が含まれていた。センターピボットが大規模に行われている地域はオガララ帯水層の地域で、この地下水を汲み上げることで地盤沈下が本当に起こるのかが疑問であった。オガララ帯水層は化石水であり、雨水による水の供給がない。地下水のくみ上げで地盤沈下するのは沖積平野や地下水面が浅いところにあるなどの場合にかぎるので、オガララ帯水層ではおこらないだろうということになった。





 資料提供
磯 高材 『太平洋戦争宣戦布告詔書の一面記事』昭和16年(1931年)12月9日 大阪毎日新聞第一夕刊
防災・日本再生シンポジウム「濃尾地震から120年 その教訓を振り返る」スライド集
奥舍 憲雄 20分間テスト第7回
奈良 芳信 『月刊島民 中之島 40号』(月刊島民プレス、2011.11.01)
冨田 健太郎 『TPPを知る1・2〜8』 2011.10.26(水)、11.3(木)、5(土)、9(水)、10(木)、11(金)、12(土)日経朝刊
『科学と技術 江戸の知恵17輿地全図』 2011.10.16(日)日経朝刊
『落日のテレビ事業』『太陽電池増産撤回 パナソニック』 2011.10.21(金)日経朝刊
高橋 克秀 『マレーシアのIT革命』2003.3三和総研レポート
亀田 峻宣 『各国のIT政策』2002.1.9MPI京都 2001年度第8回ベーシック分科会


←kako ▲TOP