地理教育部会 2013年度 12月例会 2013年度大阪教育大学地理学会・修論卒論中間発表 共催

日 時: 2013年12月8日(日) 

場 所: 大阪教育大学天王寺キャンパス 中央館 215教室

参加者
正木 久仁(大阪教育大学) 磯  高材(元大阪市公立学校長) 奥野 一生(清水谷高等学校)
岡森 啓(清風南海中・高等学校) 射手矢 武(清風南海中・高等学校)
冨田 健太郎(清風南海中・高等学校)



 「地理を学ぶ前の中学1年生、高校1年生の現状」 岡森 啓 pdf
 旧学習指導要領では世界の国や都道府県は2〜3つを選んで学習することになっている。調べ学習を取り入れ、自らその他の地域の学習ができるように考えられている。新学習指導要領ではそれを改め、日本地誌・世界地誌を学習するようになっている。学ぶ順番は旧課程では身近な地域から日本・世界へと視野を拡大するようになっていたが、新課程では世界を学習したのち、日本、身近な地域という展開になっている。

 世界地誌を学習するとき、生徒がどれくらい世界の国について知っているかは教える側として必要な情報の1つである。そこで、中学1年生、高校1年生に対して、アンケートを実施した。

 中学1年生
 州別ではアジアが最も多くの国を知っていた。一方、アフリカ、オセアニアが少なかった。
 必ずしも日本周辺の国の把握度が高いわけではない。
 正答率上位10か国
  1中国 97.8%
  2オーストラリア 96.7%
  3ロシア 95.6%
  4カナダ 86.8%
  5アメリカ 83.5%
  6韓国  79.1%
  7ブラジル 76.9%
  8北朝鮮 65.9%
  9イギリス 64.8%
  10インド  58.2%

 このような結果から、新課程で世界地誌から授業展開するときは
 中国・オーストラリア・ロシア・カナダ・アメリカ以外の国名・位置はほとんど正しく把握していないと考えておく方がよい。
 地形や気候・宗教などの知識はないと思っておく。→世界地誌の前に地球儀・地形・気候・宗教を扱うほうがいい。
 正答率が高い国や日本周辺の国から始めるといいのではないか。
 プリントや白地図を使ったアナログ的な授業が効果がある。

旧課程で学習した高校1年生
 アジアを学習した生徒は100%であった。
 そのほかではヨーロッパ、北アメリカを学習した生徒が多い。
 最も少ない地域は旧ソ連
 学校で地形図を学習した生徒は90%以上であった。
 

 「高校における地理野外実習の効果と課題」 射手矢 武 pdf1
 地形図学習で生徒の理解がなかなか難しい内容の1つが「尾根・谷」ではないだろうか。

 「尾根・谷」の読図をパワーポイントを使って授業したのち、希望者を募って野外実習で実際に尾根を体験して理解を深めようと試みた。

 和歌山県の笠田は笠田荘が中世の荘園地図に残っている。授業ではこの地域の用水を紀ノ川ではなく、支流の穴伏川から引いてくることを読図から考えさせた。また、その用水路は谷を利用していることを理解させた。
 この授業で尾根と谷を視覚的に理解させるためにカシミール3Dを利用しながら、授業を行ったが、それでもなかなか理解できない生徒がいた。尾根を具体的にイメージできないようでもあった。

 野外実習に参加した生徒は尾根を見て、具体的なイメージを持ちたい生徒など積極的な生徒が集まった。
 授業中に説明した尾根の場所へいくと、イメージをしっかり持てたようであった。

 尾根・谷を含んだ読図のテストでも満点とはいかなくても事後のテストは正答率が上がっていた。



 「日本のテーマパーク30年の軌跡 1983年〜2013年」 奧野 一生 pdf
東京ディズニーランドが開園して30年がたった。

さまざまなテーマパークを見て回ったたくさんの写真を使って、それぞれのパークの特徴などを紹介された。
閉園したものも多く、貴重な写真も多かった。




 資料提供
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